日本はきもの博物館

Information of Japan footwear museum


はきもの博物館と郷土玩具博物館

 草履、下駄、靴から他民族のはきものまで、そんな“はきもの”のみを扱う博物館が、広島県 尾道市松永町にあります。松永はもともと下駄の産地として有名だったところで、現在でもげた の生産量日本一を誇っていますが、生活様式の変化により下駄産業は衰退の一途を辿っています 。この博物館は、その松永での下駄造り100年を記念して開館したもので、はきものの収蔵数は 約13,000点にもおよび、その中の約1500点が常設展示されています。今回はこのはきもの博物館 を巡っていきましょう。
(取材日 2005年10月)
   それでは、中に入りましょう。さすが、“はきもの”博物館を名乗るだけあって、中に入ると はきものだらけです(当たり前)。最初に展示されているのは、日本において労働や信仰など、 日常生活に深くかかわってきたはきものです。こうしてみても、農業国であり豊富な森林資源に 恵まれた日本では、はきものにおいても藁や木といった素材が日常生活に深くかかわっていたこ とがわかりますよね。
 ずらっと並んでいるこちらは草履(でよかったかなぁ) や雪駄の類。簡単に取替えが利く反面耐久性は低い藁草履や草鞋(わらじ)に変わって、現在で も和装に広く用いられていますよね。
  また、庶民が用いてきたはきものだけでなく、 武士や貴族が用いてきたはきものも展示されています。こちらは主に、貴族が装束を着けたとき に用いられた“かのくつ(=靴)”と、武士が流鏑馬などの際に用いた物射沓で、どちらも革製 です。武士や貴族達の文化は大陸の影響を強く受けており、また地位の象徴や戦闘に適したはき ものとして、庶民とは異なり革製の沓が多く用いられていたのでしょう。
 そして、さぁお待たせしました!(待ってない?)こちらは足袋の展示 コーナー。こちらには当然の如く足袋も展示されており、当ページ内でも数多く写真資料として お借りしております。多謝。という訳でここでは細かく紹介しませんが…さぁ!ページ内でウォ ー■ーを探せ!!(^^;
  現在では、足袋というと一般的に布で作られ指 の分かれたはきもののことを指しますが、昔は現在でいう直足袋の役割を持つ革の沓や、指の分 けられた藁沓もありました。藁や木で作られ鼻緒を持つはきものや、大陸文化の影響を受けた 貴族や武士のはきものと異なる、足の形にあった足を覆うタイプのはきものを、こちらでは足袋 に近い部類として展示しています。写真は藁で作られた爪掛(つまご)で、草鞋と共に用いられ たことから、足袋の役割を持つはきものと言えるでしょう。
 歴代関取衆の大きな足袋が展示されています。関東の男性向けの足袋で あるので紺足袋ですが、そんなところ普通誰も注目しませんね(爆)しかしこの光景、どこかで みたことがあるような(略)
 また、日本のはきものだけでなく、世界のはき ものも展示されています。暑い地域は草履のような開放的なはきもの、寒い地域は靴のような閉 鎖的なはきものが用いられており、また素材からも、その地域の気候、風土、文化が伺えます。
 注目すべきはきものその1がこれ。月へ着陸したアポロ11号の飛行士 の宇宙服に用いられた靴です。模造品ながらも、本物をNASAから借り研究した上で忠実に再現し たものだとか。当時の最新の技術を駆使して作られたものですが、残念ながら誇り高き足袋の技 術が生かされているようには見えません(無念)
  注目すべきはきものその2。毎年松永で開催さ れる“ゲタリンピック”のシンボルとして作られた、世界一の大下駄です。大きさは3メートル もあり、2トン近い重さがあるとか…そういえばゲタリンピックって何気に有名(なような気が) ですが、松永で開催されていたのですね(殴)
 大きなはきものといえば、こちらは“奉納大草鞋” と呼ばれる、青森の神社に奉納されたはきもの。その大きさなんと5m以上…大きすぎて写真に 入りきりません。昔はトラックもクレーンもなかったんですから…う〜ん、信仰の深さが伺え ますね。
 話題は突然変わりまして、スポーツコーナー。 スポーツといえば、かつてマラソンに足袋や地下足袋、そして地下足袋に変わり開発されたは きものとして、“マラソン足袋”が使用されていたことはあまりにも有名です (知る人ぞ知る…か?)。こちらの博物館にもばっちり、オリンピックにおいて使用されたマ ラソン足袋が展示されています。オニツカタイガーとしてかつてマラソン足袋を開発した現ア シックスは、近年かつてのマラソン足袋を模した“マラソン足袋スニーカー”を発売していま すが、原点はここなのですね。
 展示室が変わり、こちらに展示されているのは各分野で活躍した人々がは いていたはきもの。イチローや王選手(当時)のスパイク、伊藤みどりさんのスケート靴、高橋尚 子さんの(以下略)など、非常に多くのはきものが展示されています。いくら博物館とはいえよく これだけ本物が集められたものだなの感心してしまいます。それともこういうところに寄付(?) できるような器の人のみ、真のプロになることができるんでしょうか?
 はきもの博物館では、年2回企画展示が行われてい ます。取材時には「重要有形民俗文化財・はきものコレクション」展と称し、普段は公開されてい ないはきもの類が展示されていました。展示されていた一部がこちら。
 タカジョ(ウ)と呼ばれる、(地面に直接用いる)直足袋の一種で、現在の地下足袋に相当 するものです。そういえばどことなく、ゴム底のない地下足袋に似てます…よね?
 さて、はきもの博物館を出て、松永の街で一枚。なんと街中に地下足袋が 捨ててあります。さすがはきものの街だと妙に関心(違)
  また、日本のはきものだけでなく、世界のはき ものも展示されています。暑い地域は草履のような開放的なはきもの、寒い地域は靴のような閉 鎖的なはきものが用いられており、また素材からも、その地域の気候、風土、文化が伺えます。
 はきものだらけの博物館、日本はきもの博物館の隣には、併設の日本郷土玩具博物館もあり、 歴史、文化、民俗好きにはたまらない博物館です。みなさんも是非一度訪れてみてはいかがで すか?


日本はきもの博物館、日本郷土玩具博物館のホームページは こちら(http://www.footandtoy.jp/)

 
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