足袋の履き方

The way of wearing Tabi(s)


何故足袋の履き方の説明をするの?

 着物好きの人にとっても、そうでない人にとっても“足袋を履く”なんて行為に説明はいら ないよ!と思われる方が多いことでしょう。なんだかんだ言っても足袋や地下足袋は日本伝統 の履物として、しっかり定着しているはずです。とはいえ!足袋の履き方を知らない !いや、足袋ってなんのことか想像すらつかない!という人も結構いるのです!実際に 指の分かれている靴下を見て“足袋なんて初めて見た!”といっている人や、足袋の履き方が 分からず、10分以上格闘した人もいるくらいですから!(管理人の知っている人で本当にこ ういう人がいたんです!ちなみに大学生と社会人(^^;)またこのページは、日本について知 りたい、日本の文化を知りたい外国の方も見ている可能性があります(そうなっていると管理 人としてはうれしいですやっぱり)

 ということで、ここでは着物を着るときの足袋の正しい履き方について取り上げ ます。といっても、これはあくまで“昔からの形式に則った履き方”です。履きなれて いる方にとっては“こんな履き方しない!こんな状況では履かない!”と突っ込みたくなる部 分も多々あるかもしれませんが、“こんな方法もある!”として、一度ご覧になってください。 ちなみに着付け教室などに行っても、最初は足袋の履き方から習うようです。基本は大事です
       
   “まずはじめに”…足袋を履く時は肌着をつけた直後、長着や袴などはもちろん、襦袢 (肌着ではなく、長襦袢に相当する類のもの)さえもつける前に履くのを本式とします。何故そう なのか詳しいことは分かりませんが、昔からその順番になっており、正式な着方です。伝統芸能 家の方なども、この順番で足袋を着用します。
 この順番になっているのは、着崩れ防止の為だとも考えられます。着物を着慣れない人は、 着物を着た後足袋を履くために屈んだりすると、せっかく着た着物が着崩れる可能性が非常に高 いので、この順番を守りましょう。
 また足袋を履く時は、片膝を立てて履くのを本式とします。ちなみに伝統芸能家の方や、衣 紋道(装束を着る時)の場合は、足袋は自分で履かず専門の方に履かせてもらう事が多いです(^_^;
 1…足袋は、履く前に真ん中のあたりから裏返して二つ折りにしておきます(写真の状態)。 履きなれるとこの過程をすっ飛ばす人も多いですが、ピッタリサイズの足袋を履く際には、この状態 から履く方が履きやすく履き心地もよくなります。
 また履く順番は、武士の場合は左足から、貴族の場合は右足からなどという取り決めも昔は あったようですが、現在では、装束や甲冑をつける!といった特別な時でなければ気にしなくても いいでしょう。むしろきちんと履きこなすことが大切です。
   2…折り返した部分を持って、爪先(= 指の方)から足袋の中に足を入れていきます。爪先が余らないように、うまく履けない場合は足の 指を動かしながらしっかりと奥まで履きます。小さい方に親指、大きいほうに残りの4本の 指を奥まで入れるようにします。このあたりは靴下を履く要領と変わりません。きちんと奥まで履 かないと、かかとの部分まで履けなくなったり、途中で足が痛くなったりします。
 3…足袋の中にかかとまで入ったら、折り返してあった部分を元 に戻して、足首の部分まで包み込みます。そのまま上に引き上げ、くるぶしの部分も包み込んで、 足袋で足を包み込みます。
   4…そして次に、鞐(こはぜ)を反 対側の掛け糸に引っ掛けるようにして、留めていきます。この時鞐を掛けやすいように、 かかとを床につけ、爪先をあげた上で、足を足首のところで約90度に曲がった状態(簡単に言 えば足を変に伸ばしたり曲げたりするのではなく、普通にしている時と同じ状態)にします。
 その状態がきつければ、お行儀が悪いですがあぐらをかいた状態で、鞐をとめる方の足を もう片方の足の上に乗せると、慣れていない人でも鞐がとめやすくなります。
 5…鞐を掛ける時は、利き手もあるので一概にはいえませんが、 左足の鞐を掛ける場合(右足の場合は左右を逆に読んでください)、左手の人差指(もしく は親指)で掛け糸の下の部分をかかとの方向に向かって押さえて、右手の親指と人差指で、鞐が縫 い付けてある布部分をつまんで持ちます(写真参照)そして左手で掛け糸部分を強く押さえながら 、鞐の先端を掛け糸に引っ掛けます。そのまま鞐を裏返すようにして、掛け糸の奥まで鞐を入れます。
   6…鞐は下から順番に(かかとか ら膝の方向へ)掛けていきます。上から掛けていくと、足首の部分にしわが付いたり、先 に留めた鞐が外れたりします。
 また、足袋には掛け糸が何本か(通常は2本)ついていますが、基本的に、外側(爪先側)の掛 け糸に留めるようにします。内側の掛け糸は、足袋が小さくなった時や外側の掛け糸では足に合わ ない時の予備となっていますが、どうしても留めにくい時は、内側に掛けてもかまいません。
 7…そして!見事に足袋に包まれた足、日本の美(ん?)が 完成します!文章で書くとまるで一大事ですが、足袋を履くなんて非常に簡単!簡単すぎ ます!!ようは慣れです。簡単な方法で(一般的には1、2をすっ飛ばす)足袋を履 こうとすれば、片足あたり10秒もかかりません。かえって指が分かれた靴下や、スポーツ用のピ ッチリとした靴下の方が履きにくいくらいです。
   おまけ…紐足袋の履き方
 現在では、なかなか見かけることが出来ない紐足袋ですが、履き方を知っておけば、何かの時に、 “ひょっとしたら”役に立つかもしれません。よろしければご覧ください。
 紐足袋は、鞐が無いため、鞐の足袋のように裏返さずに、上の空いている部分を大きく広げ て、そのまま足を入れます。この時に、足袋の左右を間違えないように(指先を見れば普通 は分かりますが…)、また足を入れる位置を間違えないようにします。足を入れたら、紐を通しま す。写真では、青線は甲の外側についている紐の通し方を 、赤線は甲の内側についている紐の通し方を表します。最 近の紐足袋は最初から紐を通してあることが多く、足を入れる位置だけ間違えなければ後は結ぶだ けのはずです。結ぶ時は、諸鉤結び(蝶結びのこと)で結びますが、足元につき紐が解け易いので しっかりと結ぶことが肝心です。


 ここでは“正式な履き方”とされている方法を紹介しました。(作法によってはもっと ややこしい場合もあります)この方法を覚えておいて損はありませんが、結局は最終的に履け て、見た目が悪くなくて、そして脱げなければいいんです。汚れを気にして着物を着ている 最中に、玄関先で、外出先で、わずかな時間を利用して足袋を履き替える方は大勢いらっしゃい ます。さあ!みなさんも足袋を上手に履きこなしてください!

※ 見るに耐えない写真をなんとか見ることが出来る範囲にするために、 かなり加工を行っております。ご了承ください。



 
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