当然ながら江戸時代以前は完全手作業で作られていた足袋ですが、明治期に入ると足袋生産の
分野においても機械化、分業化が進み、足袋造りはいくつかの工程に分けられるようになりまし
た。ここでは足袋作りを工程別に紹介していきます。
まずはじめはひきのしと言う作業。これは布の裁断をし易くし、また効率化を進
めるため、生地を数枚ずつ(行田においては10枚)重ねてそろえます。写真下と右に少し見
えているのが裁断される生地。真ん中に見えている黒いのは裁断に使う金型です。 |
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重ねた生地を、金型を使い機械で打ち抜き裁断します。こ
の時生地を裏表に並べれば、左足と右足、両足分の同じ大きさの足袋いっちょあがり!!となる
わけです(得)上の写真には、大きさ(サイズ)別の金型が並んでいます。老舗足袋店に行って
も、この金型が並んでいる光景をよく見かけますよね(よねぇ?)
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裁断した生地に、鞐(こはぜ)を掛けるための糸(“掛け糸”
や“受け糸”などと呼ばれます)を通し、縫い付けます。この工程は通しと呼ばれていま
す。溝のある機械に生地を置き、糸を“一気に!”通します。
足袋店によっては、表地だけでなく裏地にも糸を通すところもあります。これは“機械で
なく手作業で足袋作りを行っている”証拠だとか。
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上の写真の拡大。機械を使って、掛け糸を表地に通している状態がよく
分かります。白く見えるのは当て布。特に柄足袋が生地が弱く、すぐ擦り切れてしまうため、こ
のように裏側に当て布をして丈夫になるようにします。
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| 表地に通した掛け糸が鞐を掛けたとき動かないようにするた
めに、糸を通した端を縫っていきます。この作業を押さえと呼びます。何?意味が分か
らん?ようは写真の状態にするってことです!詳しくはご自分の足袋で見てください! |
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一般的な足袋の押さえ処理方法
ミシンを使わない処理方法 |
といった逆切れは無視するとして、この作業により、
掛け糸が擦れて表地が痛まないようにしている訳です。老舗足袋店によってはこの作業を行わず
(ミシン=機械を使わず)、表地に掛け糸を2回通すことで対処している場合もあります。
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| 鞐を縫い付ける部分の裏に当て布を合わせます。3つ上のとこ
ろでも少し書きましたが、鞐は金属、対する生地は当然布のため、使い方によっては非常に擦り
切れやすく、そのために当て布をあて、少しでも丈夫になるようにします。本来なら足にピッタ
リあった足袋で、手洗いをすれば長持ちするんでしょうが…そこまではなかなかね(^_^; |
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そして外甲になる生地に鞐を縫いつけます。鞐をつけるとぐっと
足袋っぽくなるような気がします。現在はこのように機械を使ってミシンで一気に鞐を付けます。
高効率です。 |
鞐を縫い付けた外甲、掛け糸を縫いつけた内甲をそれぞれ裏向
きにして裏地と併せ、上の部分を縫いつけ、ひっくり返して表向きにします。こうすることで、縫
い目が外に出ず見た目が綺麗になります。
そして外甲と内甲を、甲部分で併せて縫い合わせます。その名もそのまま甲縫いこれ
でようやく足袋の甲部分の原型が出来上がります。 |
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外甲と内甲のかかとにあたる部分を重ね合わせ、円形に縫い尻止め
をします。この作業を行うことで、かかと部分に強度を持たせ、また鞐を留めたとき内甲と外
甲の合間に隙間ができにくくなります。もし尻止めがされていないと、内甲と外甲が重なり合うかか
と部分は擦れて破れやすくなり、また鞐がうまく止まっていないと足袋がさがり、この部分から素
足が見えたり、砂が入ってきたりします。
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この作業、実はメーカーによって大きく特徴が現れる箇所
なんです。内甲と外甲を深く重ね合わせて尻止めをすると、かかと部分の隙間ができにくくなる反
面、足の自由度が低くなります。また、尻止めの形も完全な円形、縦長の楕円形、小さな円といろ
いろな形があります。足袋の最大手、福■の足袋は、重なり合いが比較的深めで中くらいの大きさ
の円形とまさしく王道です。この部分、見比べてみると面白い箇所かもしれませんね。 |
 尻止め部分、内側から
 尻止め部分、外側から |
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爪先部分から、甲と底を縫い付けていきます(写真↑の状態)指の収まりがよく
なるよう、しわをつけふくらみをつけながら、立体的に縫い合わせます。この作業を爪も
しくは先付けと呼びます。直線裁断の着物が主流だった日本でこれだけ一気に洋装が普及
したのは、このように立体的な裁縫を行っていた足袋職人がいたからだとか。
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| 指先から後ろ部分の甲と底を縫い合わせます。この作業を
廻しと呼びます。これでようやく足袋の形が完成します。
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さて、足袋の形は完成しましたが、底と甲部分と縫い目を丈夫にし、また履き心地をよくする
ため、千鳥縫いにします(写真↑の状態)糸がほつけるのを防ぐため、よく使われる手
法ですね。 |
| そしていよいよ仕上げに入ります。足袋は完成しましたが、
何せ全て裏返しでの作業。返し棒と呼ばれる木の棒(殴)を使って、足袋を表に返します。
写真左側が表向きに返している状態。写真右下が作業を終え、裏向きのままの足袋です。 |
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表向きにした足袋を、木型に入れて形を整えます。左に見えるのが
足袋の大きさ別の木型です。△ト、○三等の記号が見えますが、これはかつて足袋の大きさを文数
で測っていたとき(今もか)、一目見て大きさが分かるよう記号化されたものです。
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木型に足袋を入れ、ゆすり、つま先を木槌で叩き(いえ
暴力ではありませんよ!)縫い目をやわらかくしていきます。最近の安い足袋は縫い目が足に当
たり痛いと言われるのは、この作業おろそかになっているからかもしれません。地味に見えて重
要な作業です。職人さんの手の動きが早すぎてブレブレです。まさしくプロの技(関心) |
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木型を使い一通り叩いた後、さらに木槌を使い側面などの縫い目を叩き
ます。叩けば叩くほど履き心地が良くなります(どこかで聞いたようなセリフですな)足袋の履
き心地が悪いとお嘆きのあなた!足袋を叩いてみてはいかがですか?(ただし破れても責任は持
ちませんので悪しからず) |
| 製造時についた皺を取り、見栄えをよくするため、完成した足
袋をアイロンがけします。素人が行うと大変な時間が掛かる足袋のアイロンがけですが、玄人が
行うと早い早い!目にも止まらぬ速さであっという間に完成です。
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おめでとうございます!おされな黒底柄足袋が足袋が完成しました!あ
とは綺麗に並べて袋詰めを行います。ちなみにこちら“足袋とくらしの博物館”では、足袋産業
文化の保存と継承のために、博物館内で足袋製造の実演を行い、製造された足袋を“力弥足袋”
の名称で販売しています。 |