わらじ掛け足袋
Warajigake-Tabi
(Tabi use with straw sandal)


紺色のわらじ掛け足袋

 祭りには藁(わら)で作られた伝統的な履物であるわらじ(草鞋)が用いられることがあるが、 素足で長時間草鞋を履いていると、足の裏やかかと部分が草鞋擦れになったり、鼻緒擦れを起こ すことがある。それを防ぐ為に草鞋の下に足袋を用いることがあるが、通常の足袋では擦れてす ぐに破れてしまう為、藁と擦れる部分を補強してある専用の足袋があり“わらじ掛け足袋”と呼ばれている。

わらじ掛け足袋
白色はあまり見かけません
よく見ると補強部分が分かります
普通の足袋より筒部分が長い!

 この足袋には、藁や地面と足が直接当たる部分である爪先、かかと、親指の付け根に補強が してあり、素材も地下足袋に使用されているような綾織のものなど、比較的厚く強い生地が用いら れている。みこし担ぎなど動きのある祭りに使用される事が多く、脚半の役割を持たせるために、 普通の足袋より筒部分が長い鞐7枚のものが一般的である。そのため一見地下足袋のようにもみえ るが、あくまでも草鞋の下に履くための“岡足袋”である。このように実用本位の構造のため、 おしゃれとして着物の足元に用いるにはあまり格好いいものではなくお薦めできない。色は紺色の ものが多く、他に黒色や白色のものもある。

爪先と指の付け根の補強
草鞋がないとあまり格好いいものではありません
かかと部分の補強
草鞋の紐をここに掛けます

 わらじ掛け足袋の代わりに、草鞋の下に地下足袋を用いる地域もある。しかし、地下足袋は 親指の付け根部分が補強されていないなど草鞋の下に用いる目的で作られているものではないため、 わらじ掛け足袋を用いたほうが草鞋、足袋双方の耐久性や足への負担軽減に優れる。
 ちなみに、管理人の調査した限りわらじ掛け足袋は浜松祭りが西限であり、なぜか愛知より 西の祭りにはわらじ掛け足袋はまず用いられていない。例えば京都の時代祭にも草鞋が用いられる が、その下には通常の足袋や靴下足袋が使用されている。

祭りで使用される草鞋
履き方も編み方も現代人には複雑です
昔、作業に用いられたわらじ掛け足袋
やはり現在の“わらじ掛け”と似ています
捻り足袋と呼ばれるわらじ掛けの一種
足半と共に用いられたとのことです
草鞋の下に履く藁の履物
藁で作られた足袋といった感じでしょうか

 上述のようにわらじ掛け足袋は現在では祭りに使用されるが、もともとは革足袋と共に 作業用として用いられてきたものである。地下足袋や長靴が普及する前は、農作業には主に草鞋が 用いられており、鼻緒擦れ防止や冬季の防寒用として草鞋の下にこの足袋が用いられてきた。作業用 のため見栄えよりも耐久性が重視されており、刺し子で作られたり、指股の部分に補強がされていた。 これが現在使用されているわらじ掛け足袋の起源である。鼻緒ずれ防止や防寒には、足袋の他にも 藁でつくられた下履きのようなものも用いられていたようで、爪掛(つまご)や爪掛沓(つまごわ らじ)と呼ばれる履物が日本はきもの博物館に展示されている。


※ 草鞋(わらじ)の掛け方は自信がないので祭関係のホームページをご覧下さい(^^; ※
※ わらじがけ足袋は紺色が一般的ですが、白色のもので撮影を行っております ※



      


<取材協力:日本はきもの博物館様>
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