足袋の裏地
Lining of Tabi


さらし裏の色足袋

 足袋は通常、袷(あわせ)仕立てになっている。袷というのは、表の生地(例えば白の綿キャ ラコ)の他に、裏に別の生地をあわせて仕立てるという和服の仕立て方である(但し物によっては同じ 生地を使う場合もある)。着物(小袖など)の場合は、夏は裏を付けない単(ひとえ)仕立てにするが、 基本的に足袋は一年中袷のものが用いられる。
 足袋の裏地には、さらし(晒)またはネルが一般的に用いられている。色は白の場合が多いが、 表色に合わせて黒色や他の色が使用されることもある。足袋の場合、暖かい時期はさらしの足袋を、 寒い時期にはネルの足袋を使用するとよいと言われているが、個人の好みによって一年中さらし裏、 ネル裏で通す方もいる。しかし最近では、夏に用いると厚ぼったく違和感があるネル裏の足袋より、 一年間いつ用いても違和感のないさらし裏の足袋の方が好まれているようで、百貨店や呉服屋で 販売されている足袋はさらし裏であることが多い。また、裏地は足に直接触れる部分であり、 ここに化繊のものを使用すると吸汗力や履き心地の点で天然素材より劣るためか、表地に化繊を 使用している足袋であっても、裏地は天然繊維が用いられていることが多い。


↓詳しくは下のボタンをプッシュ!↓

      


 また“単足袋”という名前の、夏に用いられる文字通り裏生地のない足袋もあり、 麻で作られた夏用の足袋によくみかける。ただし裏地がなく薄いため、足や爪の線や色が出やすく、 履きこなすのは難しい。なお麻足袋には、涼しさを強調するために裏地にも麻が使われた高級なも のもある。絹足袋には、裏地に羽二重などの絹を使用すると履き心地が大変よくなるが、絹は高価 な上に手入れも大変なため、昔から一部の上流階級を除いて、絹足袋であってもさらしなどの綿が 用いられていた。ちなみに江戸時代以前に用いられることが多かった革足袋は、裏生地が付いて いなかったので汗をあまり吸収することができず、暑い時期に用いると、それはそれは蒸れて大変な (汗)ことになったようである。江戸時代に入るまで武士の間に足袋の使用が広がらなかったのも、 動くことが多かった武士はそういった香り高い(殴)事情があったからであろう。
 その他、近年では技術の進歩により、冬用の足袋としてネルでない保温性の高い化繊を使用 したものや、遠赤外線など裏地自体に保温効果や発熱効果を持たせた素材を表地と裏地の間に入れ、 キルティングのようにしたものも存在している。


      
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送